最近入手したCDを紹介する。
2017年 06月 17日
思い切り手を抜いて簡潔に書きたい。記事が少しでも役に立てばいいと思う。
上左から
Sibelius Complete Symphonies、Violin Concert、Finlandia
Helsinki Philharmonic Orchestra
Leif Segerstam、Pekka Kuusisto(violin)
レイフ・セーゲルスタム、ヘルシンキフィル
ONDINE ODE 1075-2Q 4CDs。 録音年:1996、2003、2004、2005.
録音、演奏90点。オーソドックスで過剰な演出はない。協奏曲もいい。交響詩フィンランディアは合唱入り。昔、オーマンディが合唱付きで録音していたのを聴いたことがある。
上中央。
シベリウス 交響曲全集(全7曲、交響曲のみ)
パーヴォ・ベルグンド
ヨーロッパ室内管弦楽団
FINLANDIA WQCC-270/3 タワーレコード企画の国内盤。録音年:1995年-97年。
P.ベルグンドは、シベリウスの全集を3度録音している。一回目はボーンマス響、2回目はヘルシンキフィル、このヨーロッパ室内管弦楽団は3度目のもの。
ブックレットにベルグンド自身のインタビュー記事が載っていて、ヨーロッパ室内管弦楽団の技術がとても気に入り、3度目のこの録音をベストと判断しているようだ。
ヘルシンキフィルの録音は昔に買っていて所持している(EMI CLASSICS FORTE 568643-2、568646-2)。
1回目の録音、ボーンマス響のも一部所持している。
ヨーロッパ室内管弦楽団とのこの録音は、響きがちょっと薄い。つまり中低音の音の厚みが不足していて、その点不満が残る。同じコンビがブラームス交響曲全集を録音していて持っているが、同様の不満を感じた。音の厚みの不足だけを考えたら、ブラームスは致命的だが、シベリウスなら音の厚み不足でも、演奏の特徴になりうる。しかし、僕の好みでは不満。
ヘルシンキフィルとの録音の方がいい。ボーンマス響の録音は、現在、店頭でSACD盤が発売されている。8000円くらいの価格だったが、思案している。
上右。
シベリウス 交響曲全集 (交響曲のみ全7曲)
フィンランド放送交響楽団
ユッカ=ペッカ・サラステ
FINLANDIA WPCS-4744/6 3CDs。国内盤。1993年ライブ録音。
5番、4番が上出来。特に4番は演奏するのにむつかしい。7曲のうち4番は一番難解だと思う。3番はテンポが速すぎる。曲を十分理解していないと感じた。6番、7番も平凡だがいい演奏だ。録音はいい。
中央左。
SIBELIUS SYMPHONIES(COMPLETE)
Valse Triste、Swan of Tuonela
Berliner Sinfonie-Orchester
Kurt Sanderling
クルト・ザンデルリンク、ベルリン交響楽団、
BRILLIANT 6899、5CDs。Licensed from Edel Classics、 録音年:1970年-1977年、1983年(交響詩)
録音はこれが一番古いが、旧東独時代の70年代アナログ録音は、演奏、録音ともいいディスクが多い。録音はベルリン イエスキリスト教会。データーを見れば説明は必要ないだろう。
いい意味でオーソドックス。7番がテンポが遅く、一種独特の雰囲気を醸し出している。
5CDのうち、1枚は交響詩を集めたもの。
フィンランディア、鶴のいる情景「クオレマより」、夜の騎行と日の出、トウオネラの白鳥、エン・サガ、の5曲収録。
シベリウスはこれで終わり。
ベートーベン チェロとピアノの作品集、チェロソナタ全曲と変奏曲を集めたもの。2点。
Ludwig van Beethoben The Sonata and Variation for cello and piano
Raphael Wallfisch(Cello)、John York(P)
Nimbus Records NI 5741/2 (C)(P)2005。 2CDs。
ベートーベンのチェロソナタ第3番は、ロストロポービッチ、リヒテルのコンビの盤がお気に入りで、昔からよく聞いた。それで、他の演奏のレコード、CDをあれこれ買ったが、ロストロ.リヒテル盤を凌駕する録音には出会わなかった。
このラファエル・ウオルフィッシュとジョン・ヨーク盤はいい演奏でとても気に入った。これなら聴けると思った。
これは店頭(十字屋三条店)で買った。新品だ。3,497円
中央右
ピエール・フルニエとウイルヘルム・ケンプのコンビ。
グラモフォン/タワーレコード PROC-1721/2。1965年2月録音。
いまさら説明不要だと思う。じつは初めて聴いた。こんないい録音があったとは!。認識不足。
LP時代、グラモフォンレーベルは音が悪い(盤質も良くない)、というイメージを抱いていて、ずっと避けていた。
しかし、のちにもともとの録音(マスターテープの音)は、とてもいいと判った。日本のグラモフォンレコードの作りが良くなかったのだ。じっくり聴きなおしたい。
下左と中央の2点、バッハのヨハネ受難曲とマタイ受難曲
ACADEMY OF ANCIENT MUSIK、CHOIR OF THE AAM
RICHARD EGARR
Solist:GILCHRIST,ROSE,RICHES,WATTS,CONNOLLY,他
AAM AAM002(ヨハネ)(P)(C)2014、AAM004(マタイ) (P)(C)2015.
バッハのマタイとヨハネ受難曲は見つけ次第かたっぱしから買っている。オーソドックスなリヒターの演奏が基準になっているが、いままでレオンハルト、コルボ、ヤコーブス(2種ある)、リリングなどのCDは比較的聴き易くいいと思った。
しかし、解釈はいろいろで全然受け付けないのも多い。鈴木雅明、ガーディナーなどはだめだ。最近入手したFrieder Bernius(SWR2)は少人数で演奏したもので、録音いいが駄目だった。
マタイはだいぶん聴いたが、ヨハネはいまだよく理解できていない。CDの内容を評論する資格はない。
今回取り上げたリチャード・エガ―のCDは、いいと思う。同じころ入手した、ルネ・ヤコブス(Harmonia mundi)は、特に気に入っている。リヒターの時代から考えると、本当に録音が良くなった。
最後に下右。
モーツアルト 交響曲集(21番から41番まで、37番は作品はない)
ロイヤル・コンセルト・ヘボウ管弦楽団
ヨゼフ・クリップス
DECCA PROC-1620/6 7CDs。録音年:1972年-73年。タワーレコード・ヴィンテージコレクション。CD-7はリハーサルを収録したもの。実質は6CDs。
ヨーゼフ・クリップスのレコード(CD)は、セッション録音、ライブ録音ともそこそこ所持しているが、このモーツアルトを聴きなおして、改めてクリップスの良さを認識した。いい意味、オーソドックスな点ではベームと互角だと思う。安心して聴ける。また録音もいい。レーベルはDECCAになっているが、原盤はたぶんフィリップスだと思う。
当時のレコード目録を見てみたが、これらモーツアルトの交響曲は載っていなかった。デッカのオペラの録音はどの目録にも載っていた。日本ではクリップスの評価は低かったみたいだ。レコードが売れなかったのだと思う。モーツアルトの交響曲といえば、ベーム、カラヤン、ワルターの時代だった。
おわり。
このあと、続きを書く予定をしています。
訂正:バッハ マタイ受難曲の記事で、鈴木秀明と書いたが、鈴木雅明の間違いだった。訂正する。(2017年6月23日追記)